オクスフォード大学の教授が「10年後になくなる仕事」を発表してから、AIに対する期待や危機感が大きくなっている。このブログでも、GWに『「AIに仕事が奪われる」を実感した話』を投稿しようとしていたし…(結局できていないけど)
他にも、AIが人間の集合知を超越する、シンギュラリティが到達したあとの世界を恐れる声も聞かれる。
もともと教育関係の研究をしていたから、教育にも興味あるし、AIってどんなものだろうと思って興味を持っていた。自分の読解力に疑問をもっていたし。そして、大学の違うグループの討論議題になっていたから、もうこれは!と思って読んでみたのが、この本。
【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち
- 作者: 新井紀子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: 単行本
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著者は数学者で、「東大入試をAIが突破することができるか」というプロジェクトを勧めていた方。
著者は
AIが人間の知能を超えるシンギュラリティはこない。
でも、AIはコンピューターをもとにしているから、計算式に落とし込めることは、正確に、早くできる。
だからこそ、AIにはできない「意味」を理解するということがAIに仕事を奪われないためには必要だ。
という立場。
実際に著者は、学生の読解力を測るテストを実施しているのだけど、このテストもなかなか興味深い。
高校生までを対象としたテストだけど、こういうことが実は人間にしかできないんだ!ってわかるし、読解力って分割するとこういうことなんだ!っていうのがわかる。
で、人間しかできない分野での正答率が低いから、このままでは日本人の多くがAIに仕事を奪われてしまう…という懸念を表した本。
まずAIが語られるときに2種類あることを示して、本文中でのAIの定義を述べているからわかりやすい。そして、何より本当に論旨が明快でわかりやすい。ロジカルライティングのお手本にできるくらい、に。
子供たちの読解力が危ない、と主張されているけど、だからといってその対策法は書かれていない。でも、読解力ってそう簡単になにかをすれば、伸びるってものではないと思うから、安易になにをしろ、って書かれていないのも高ポイント。
読んでいる人もいっぱいいると思うけど、
いろんな観点からみて読んでみて絶対に損はないと思うから、まだ読んでない人はぜひ読んでみてほしいです。
私は、この本から関係する他の分野にも興味を持ったので、そういうテーマの本を読んでみようかな。(機械学習とか、ディーブラーニングとか、量子コンピューターとか)あとは、シンギュラリティが起こる派の人の本も読みたい。
これとかね。