「AI vs 教科書を読めない子供たち」を読んで

オクスフォード大学の教授が「10年後になくなる仕事」を発表してから、AIに対する期待や危機感が大きくなっている。このブログでも、GWに『「AIに仕事が奪われる」を実感した話』を投稿しようとしていたし…(結局できていないけど)

他にも、AIが人間の集合知を超越する、シンギュラリティが到達したあとの世界を恐れる声も聞かれる。

 

もともと教育関係の研究をしていたから、教育にも興味あるし、AIってどんなものだろうと思って興味を持っていた。自分の読解力に疑問をもっていたし。そして、大学の違うグループの討論議題になっていたから、もうこれは!と思って読んでみたのが、この本。

 

著者は数学者で、「東大入試をAIが突破することができるか」というプロジェクトを勧めていた方。

 

著者は

AIが人間の知能を超えるシンギュラリティはこない。

でも、AIはコンピューターをもとにしているから、計算式に落とし込めることは、正確に、早くできる。

だからこそ、AIにはできない「意味」を理解するということがAIに仕事を奪われないためには必要だ。

という立場。

 

実際に著者は、学生の読解力を測るテストを実施しているのだけど、このテストもなかなか興味深い。

高校生までを対象としたテストだけど、こういうことが実は人間にしかできないんだ!ってわかるし、読解力って分割するとこういうことなんだ!っていうのがわかる。

 

で、人間しかできない分野での正答率が低いから、このままでは日本人の多くがAIに仕事を奪われてしまう…という懸念を表した本。

 

まずAIが語られるときに2種類あることを示して、本文中でのAIの定義を述べているからわかりやすい。そして、何より本当に論旨が明快でわかりやすい。ロジカルライティングのお手本にできるくらい、に。

 

子供たちの読解力が危ない、と主張されているけど、だからといってその対策法は書かれていない。でも、読解力ってそう簡単になにかをすれば、伸びるってものではないと思うから、安易になにをしろ、って書かれていないのも高ポイント。

 

読んでいる人もいっぱいいると思うけど、

いろんな観点からみて読んでみて絶対に損はないと思うから、まだ読んでない人はぜひ読んでみてほしいです。

 

私は、この本から関係する他の分野にも興味を持ったので、そういうテーマの本を読んでみようかな。(機械学習とか、ディーブラーニングとか、量子コンピューターとか)あとは、シンギュラリティが起こる派の人の本も読みたい。

 

エクサスケールの衝撃

エクサスケールの衝撃

 

 これとかね。